メンタル・リハーサルとポジティブ・シンキングの違い

メンタル・リハーサル(イメージ・トレーニング)の説明で、心の中に鮮明で詳細なイメージの視覚化をするように説明されています。
しかし、イメージの鮮明な視覚化ができない人は効果が弱まるのでしょうか?

そんなことはありません。

イメージの視覚化の程度は個人差があり、これは脳の個性の一つだと理解して下さい。
個人差はあっても、正しく行えば効果は同じことなのです。
なぜなら、イメージ・トレーニングで条件回路がつくられている脳の部位は、イメージしている脳の視覚野ではないからです。

では正しいトレーニングの仕方とはどのようなものでしょうか。

あなたが対人面で、苦しんでいるとしたら、人と交流している時の、状況のあらゆる起こりうる事態を予測し、
その心理的に逆境ともいえる状態を乗り切っている自分自身を描いてみることです。

初めから理想を描くのではなく、今よりは少し楽な状態で過ごせている
自分の理想に近い対処(行動)を頭の中でリハーサルするのです。

ある苦手な状況の中で起こりうるであろう様々な事態を予測して、その状況に応じた具体策を講じておくのです。

ただたんに、「自分はこうなる・・・」みたいな、具体性のない漠然としたプラス思考(ポジティブ・シンキング)では、
あなたの脳は、具体性に欠け、何も学習できず、理想的な新たな回路を作ることができません。

勿論、脳の優れた適応能力は、想像だにしなかった事態に遭遇しても、総合判断により、最適な対処をしてくれるのです。

よって、あらゆる事態を想定して・・・・と言ってもそれほど神経質になることはないのです。

可能な限り具体的に頭の中で脳に学習(理想的自己像としての対処の経験)をさせきれるかが重要になります。